GENERAL HEAD MOUNTAIN GENERAL HEAD MOUNTAIN

とある別荘にて。
何だか、寝つきが悪い。
今更ながら、弟にドラクエ4を借りとくべきだったなと思う。
「暇だ」と言ったらそれまでなのだけれど、新しい場所に落書き気分で何か書いてみようかなと思い、起きたばかりの町の音を聴きながら、パソコンをカタカタ鳴らしている。


考えている事、思っている事、思い込んでいる事が毎日違う僕の事。いや、毎分?毎秒?それは、少し言い過ぎかも知れないが、確かに違う僕の事。
スタッフや関係者の方々は、本当に大変だろうなーと何だか申し訳なくもなる、うん、ほんとにね。
メンバーはさすがに慣れただろうなと思う、それか諦めたか、どちらかだろうと思う。
皆、口を揃えて「松尾氏はトリッキー」と言うのだけれど、初めは「そんな事はないよ、そちらこそトリッキーっすよ」と思っていたのだが、最近はトリッキーな自覚が少しずつだが出てきたと思う。
それは、きっと父のせいだ、間違いない。

とある日の午後8時頃、珍しく音楽関係者以外からの着信があった。
「なにしてんだ、おい」と電波越しに父の声、酒好きの父の事、酔っ払っているに違いない。
「別にこれと言って何もしてないけど」と答えれば、「今すぐ帰って来い」との事。
「これは、何かあったのか?まさか、サスケ(飼い猫、オカマ)が死んだのか?」と悪い予感が僕をよぎる。
「何かあったの?」と、恐る恐る聞いたなら、「庭にテントを建てて、そこで晩酌をしているから、すぐに帰って来い」と、ある意味、悪い予感は的中し、僕は何とも言えない脱力感に包まれながらも、仕方なくプチ(死語)里帰りをする事にした。

実家に到着、確かにテントが建っている。何度見ても確かにテントが建っている。
僕は「なんだこれ」と、ただいまの挨拶、「どうだ、いいだろう」と、焼酎片手に上機嫌な父。
父の目線は、きっと遠くにあったと思う。
上手く言えないが、達成感に満ちた目線と言うかなんと言うか。でもきっと、遠くにあったと思う。
18歳で鹿児島を飛び出し、母と結婚し僕が生まれ、仕事の都合で縁もゆかりもない宮崎に引っ越して来た事。貧しかった思春期の苦労、死んだ祖父と叔父の事。僕の未来の事、妹と弟の未来の事。そして、母の事。
何度も聞いた話が酒の酔いも手伝ってか機関銃の様に飛び出せば、飛び出して、また飛び出して。
不思議と嫌な気持ちにならないのは、この小さなテントには父の54年間が充満しているからだろうか。
実家が城ならば、このテントは何なのだろう。別荘?いや、それは良く言い過ぎだ、やはりテントにしか見えない。
そう言えば、やけに周りが見えにくくなったなと思えば、電球の明かりが少しずつ小さくなっている様に思える。
まさか、演出なのか?まさに、ロマンチック。しかし、僕達は親子だし、それに男同士だし…なんてお馬鹿な事を考える間もなく、テント内は真っ暗、これぞ闇。
「うおっ、電池切れじゃー。こづかいやるから電池買って来い」と、父の悲しい声が、いつだって深過ぎる夜にこだました事は、言うまでもない。


ほら、僕より断然トリッキー。
彼の遺伝子である僕だってエスカレーター式にトリッキー。
でも、やはりテントはテントだったけど、何だか居心地が良かったのは内緒の話。



注:「トリッキー」とは、「あの人、何か変わってるよねーマジで」的な事を意味すると思い込んでいる。
ちなみに、今現在、私以外でこの言葉を使う人は未だ現れず。
まさか、私だけなのか?と、これまたやっかいな不安は募るばかり。
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by sekennosukima | 2009-05-15 08:21
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